-前回までのあらすじ-
のび太はZa Black Companyを辞め、英語習得のためアジアの某国に渡ったのだが・・・
《 登場人物紹介 》
のび太(主人公 30代)
関西出身 廃墟と遺跡が好き。
Za Black Companyにて鋼の精神と際限なき疑心暗鬼を手にした後ニートに。
某国にて悪友と出会い、インドに引きずりこまれる。
それは某国でのいつもの夜。
語学学校で提供されるクソまずい残飯に嫌気が差したオレ達三人は、
街角の屋台で食事を楽しんでいた。
そして、ガヤガヤと騒がしいそこで酒で顔を真っ赤にしたドラえもんが唐突に問いかけてくる。
「この留学終わったらさ、一緒にインド行かない?
おれさ、昔からインド行きたかったっちゃ!みんなで行ってみようっちゃ!」
はあ?インド?
彼らと違ってオレは海外旅行なぞこの留学先以外にしたことのない人間である。
インドといえばなんか乞食がいっぱいで、
旅をすれば強欲なインド人たちに騙され人間不振に陥り、
カレーを食べて下痢、あと死体燃えてたり、牛がいっぱいいる。
オレのピューピューな想像力ではそんなネガティブなイメージしかない。
〈著者のピューピューなインドのイメージを力強く代弁するジョセフ・ジョースター氏〉
ぷはーーーーーーと酒を飲み干し、
「ぜぇーったい、おもしろいっちゃ!!」
インドへの熱い思いをこれでもかと語るドラえもん。
それを見た、しずかちゃんは負けじとビールを飲み干し
「運子を手で拭くんでしょ?楽しそう!行きたいな。」と間髪を入れずに賛同する。
「おお!行くっちゃ!行くっちゃ!んで、のび太くんはどーするっちゃ?」
-----手で運子を拭くだと?
イヤすぎる情報である。
そう、気がつくばオレは快諾を快哉で叫んでいたのだ。
ニート・・・それは社会になじまぬ離岸流である。
楽しいことなどなかった会社員生活を終えたいま、もう一発暴走ぐらいさせてくれや!
そういう気持ちが爆発した瞬間でもあったのだ。
ドラえもんの謎の叫びが屋台街にこだました。
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その後、授業が終わるたびに街に繰り出し、
運良く古本屋で地球の歩き方(インド版)を入手。
ここ行きたーい!いやーここもいいっちゃよー、などとキャッキャッウフフしながら予定表を作る。
持論だが旅というのはこの旅の準備が一番楽しいのではないだろうか。
オレ達のキャッキャウフフはとまらず、
某国のバッタモン屋で中国製のバックパックを買ったり、
鍵を買ってみたり、旅の準備は着実に整っていく。
そして買い物もそこそこ3人でカフェで一休み。
いやーいっぱい買ったね。買ったっちゃー。楽しみっちゃー。
他にいるものないかなーと
男二人が相変わらずキャッキャウフフしてると、
しずかちゃんが
「これみてよ。インドのアグラーで日本人学生が行方不明なんだってさ、こわいよねー」と
スマホの画面を俺達の眼前につきつける。
どら、のび「え?ゆくえふめい?」
しずかちゃんの目は笑っていない。
だが口元が緩んでいるのをオレは見逃さなかった。
「うん、ほら、こっちも!インドで行方不明になる旅人がいっぱいいるんだって!」
「まじっちゃ・・・油断したらまずいっちゃね・・・」と
不安そうな顔のドラえもんを見るしずかちゃんの目は
その反応を楽しむように嗜虐心(Sごごろ)に満ち満ちていた。
(おおう、この人、他人を恐怖に陥れて不安を払拭しようとしてやがる。
まさにドS、ほんまもんの鬼やで!)
そして、オレより先に卒業する二人は10日ほど先にインドに向かった。
「じゃあ、ムンバイ駅で待ってるっちゃw」というドラえもんの声を残して。
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