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05日目!ダウラターバード城へ。ボクのアジャール先生と。-アウランガーバード- [インド旅行記-アウランガバード-]

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アジャール先生から13:00頃、お電話を頂戴する。

遅くなってすまない。ともったいない言葉を頂く。
でんともない!と恐縮するオレ。


城(ダウラターバード要塞)までは約20分。

アジャール先生の華麗なるドライビングテクニックで
道に落ちそうになりながらも城に無事到着する。

すこしチャイでも飲まないかと有り難い申し出受けたので快諾する。

昨日は本当にありがとう。というと
「こちらこそ。あの後、想像以上に娘達はあの紙の鳥を喜んでね。」

本当に?
「ああ、ずっとそれで遊んでいた。そのまま鳥を抱いて眠ってしまってね。」
と、アジャール先生の最高の親バカ笑顔が発動される。

なんだか涙をこらえるオレ。

楽しい雑談は続く。

このままではチャイだけで終わってしまいそうだ。
まぁ別にそれでもいいが。

しかしさすがはアジャール先生である。
空気を読み、絶妙なタイミングでそろそろ行きなさいとオレに促す。


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フォートは思った以上に広く遺跡廃墟好きなオレの心を満たしまくっていた。

そして目指す一番大きな城に入る。
中は全く整備されておらず、まるで洞窟のように真っ暗であった。

インド人観光客たちは、携帯の貧弱な灯りでキャッキャウフフしながら進んでいる。
オレはそんな中、日本製の100ルーメンという超強力な小型ライトを点灯させた。

その強力な光はあたり一面を照らし、驚いたコウモリたちが外に逃げ出すほどであった。
そして驚いたのはコウモリだけでなく、インド人たちもそうであった。

テクノロジー大国日本の力に驚いた彼らは
オレの周りに群がり「す、すごい!みせて、みせて!きゃーきゃー!」と叫びだす。

あたりはパニック状態となり、おおこれはマズイのではと思っていると
「静かにせんか!」的な言葉が響く。

声の主は中年のおっさんである。
みると群がっているのは若者ばかりで、そのおっさんは引率者であるようだった。

「失礼をした。」と、おっさんが慇懃に言う。

気にしてないということを伝え、何の団体か聞くと
「私は大学教授でしてな、学生と遠足に来たのだが、やんちゃで困っておるよ。」とのことである。

そして、またざわざわし始めた学生たちとしゃべりながら城の最上部へゆく。

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最上部からは広大な高原が広がって見えた。
なんという広さかと感動していると
「すこし、講義でもしようか」と教授が学生たちを集め話し始めた。

「この平原がデカン高原ということは皆も知っていると思う。
この広大な高原における農業的成果うんにゃうにゃうにゃー。」

・・・うん、全くわからん。
教授はオレにも聞かせたいのであろう、英語で講義をしてくれているのだが全くわからん。

お?あそこに大きな鳥がいるスゴーイ!
あ、リスだぁ。かわいいなぁ。
いやぁ、しかし雄大な景色ですなぁ。
街があんなに小さいよ、うんすごいなぁ。

「・・・で、君はどう思うかね?」

は、はい?
高校時代よそ見をしている時に限って先生に当てられる間の悪さを思い出す。

「うむ、さっきの話について日本人としてどう考えるのかね?」
知らねーーーーーーーよ!
勘弁してください!
学生の皆さんも目をキラキラさせてオレの言葉を待たないで。

「率直な意見を言ってほしいね。」
率直な意見?知らねーっすって言って欲しいのかよ!
くっそー!やってやる。
テ、テクノロジー大国日本をなめるなよ!

そ、そうですね。こういう機会があると思いませんでしたので・・・
まずは教授のおっしゃるとおり、デカン高原は広大です。日本よりも広大です。
(そ、そうなのかな。。。)

日本ではこのような平原が少なく山が多く、
インドのように農業大国となる素地はなく、地下資源もありません。
(インドって農業大国だったよね?)

インドのように広大な土地をもたない私たちは知恵で何かを作るしかありませんでした。
(日本の歴史家が聞いた一秒で否定されそうだわ。)

また資源が少ないので奪い合えば全滅すること知っていました。
(奪い合ってましたけどね。)

そのため皆で力を合わせ、知識を結集させる工業を中心とした産業が発展しました。
(足の引っ張り合いも多いよ?)

知とはモノを生み出す力です。
一生懸命勉強するみなさんは、この大地より大きなモノを手に入れるでしょう。
(はい、嘘八百)


・・・自分で言っておいてなんだがニートの言っていいセリフではない。

そして、さあどうだ!と周りの反応を見渡すと教授が「This is Japaaaan!」と叫んだ。

呼応するようにJapan!Japan!と連呼する生徒たち。
そんなJAPANコールの中、笑顔で握手に応えながらも、
すまん、めっちゃ適当やぞと本心を語ることはオレにはできなかった。
ああ、できなかったよ!

最後に教授が近づいてきて、
「いい考察だったよ。君はそうだな、研究者かな?」と問いかける。
大いなる勘違いをしている彼に、
いえ職を失った旅行者ですという事をマイルドに伝えると

「そうか、君は崇高な目的を持って旅をしているのだろう。」
「そして、おそらくこの旅で大きなものを君は得るのだろう、がんばりなさい。」

いやぁ、この旅は怒羅絵門ズでー、予期せずソロ活動になってー、
などと言えるはずはなく、はい!がんばります!と元気よく答えるオレがいた。

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《感銘を受ける前の学生たち》

そして別れ際、一人の青年が近づき、
「すごくいい話でした!」と目をキラキラさせ右手につけたブレスレットを渡してくる。

「あの、これ受け取ってください。」
もうやめてください!適当なこと言ってすいません!

しかし、ここまで来て引くことなど出来るはずもない。
オレはカバンに手を入れ最終兵器を取り出した。

出てきたのは20本のボールペン(100均出身)である。

これを皆で分けなさいと渡し、颯爽と去るオレ。
Japan!Japan!と叫び続ける彼らの声を背に、
罪悪感の涙を流しながらオレはその場を去ったのである。


*脚注 インドではよく停電がおこります。また遺跡に行く人は暗がりが多いので小型のライトは必需品です。




*脚注 大人にはタバコ。少し世話になった人にはボールペン。子供には折り紙。懐が痛まず、喜んでくれます。
まぁ苦笑いかもしれませんがw
ただ交渉事は一気に楽になる場合がありますので活用してみてください。




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Lee

面白い!ドライアイなので毎日すこしづつ読んでます。すばらしい語学力と交渉力じゃないですか。やはり現地の人との交流は感動しますね。後半が楽しみです。
by Lee (2014-06-29 00:18) 

のび太

LEE様

ご覧いただきありがとうございます。

初めてのブログ作りだったので
読んで頂き、かつコメントまで頂き、
大変うれしく存じます。

このブログですが、
のんびり読んでやって下さいw

アホみたいに長いので、
一気読みは心折れることまちがいなしです。

by のび太 (2014-07-01 20:36) 

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