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31日目!東の寺院群、南の寺院群を歩く -カジュラホ- [インド旅行記-カジュラホ-]

カジュラホ 道

ミハイルとアーニャからのプレゼントを部屋に置き、カフェで一服すると
オレは東と南のエロい寺院群を目指し歩くことにした。

東と南の寺院群は規模こそ小さいが、静かな田園の中にぽつんとあるという。
オレの好きな廃墟感も満載だろう。


0027 (21).JPG

メインストリートを少し離れると、すぐに田んぼの景色が広がる。
歩き続けると、そんな風景に溶け込むように農作業をするオバちゃんたち、
そして、その周りで子供たちがはしゃいでいる。

時が止まっているかのような風景に息を呑んでいると、
忍び寄ってきた子供たちが、俺にタッチして逃げていった。

そんな子供たちの、のどかな行動に容赦なく猛ダッシュで追いかけるオレ。

きゃあきゃあと、はしゃぐ子供たち。
それをみて笑い転げる農婦のオバちゃん。

捕まえた子供たちに、よく逃げたな、褒美をやろうとOrigamiをプレゼントする。

すると子供たちは、きゃあ!と小さく歓声をあげ、
それを農婦に見せに全速力で走っていった。



そうこうして、『地球の歩き方』の貧弱な地図を頼りに
さてこっちか?いやこっちか?とふらふら歩いていると
オレは自分の位置を見失ってしまった。

ふむ、迷いながらも歩くのも人生さ。と
ハードボイルド気取りでタバコをふかし、歩くこと三十分。

オレの足は早くも悲鳴をあげていた。
いやもう、子供たちを追い回す気力なんてない。

どこかで座ろうかと思うが、道端には運子が多くてそんな気にはなれない。


0027 (7).JPG

どこかにスターバックスでもないのか!と辺りを見回すが
シャレ乙カフェどころか、現地の家と小汚い小屋しかない。
しかし五感をとがらせると、小屋の中からは何かの気配がする。

牛舎かなにかか?とのぞいてみるとどうも食堂であるらしい。

これは幸い、昼飯でも食うかと中に入ると
二人の子供たちが小さなポケットゲーム機で遊んでいた。

こんにちは!とつぜんの闖入者に固まる子供たち。
キチンと挨拶しただけなのに・・・
しかし見ると大人の姿はなく、彼らだけで店番を任されているようだ。


七歳ぐらいの女の子が、おずおずとメニューをオレに渡す。
ありがとうと、それを受け取るが完全にヒンズー語メニューである。

わ、わからん・・・

遠巻きに見つめる子供たちに、
おいおい、ヒンズー語なぞわかるものか!メニューを説明し給えよ!
本音が言えない優しいのび太は、コレ頼むと適当に指を指す。

五歳ぐらいの男の子が姉に近寄る。
「な、なんて言ったの?」と聞いているようだ。

「コレ作れって・・・」

二人の姉弟は顔を寄せ合い困惑顔だ。

その表情で無茶振りをしてしまったことに気づいたオレは
できる料理でいいよ。と言ったが言葉が通じない。

努めて優しく言ったつもりだが
幼い彼らにはさっさとつくらんか!と聞こえたのかもしれない。

姉は意を決したように包丁を持ち、野菜をガチャガチャと嫌な音を立てて切り始める。
弟は、薪に火を付けフライパンを温め始める。

なんというか、見ていてめちゃくちゃ危なっかしい・・・


ど、どうぞ。

姉がフラフラとよろけながら料理を持ってくる。

indianfriedrice.jpg
《参考フライドライス》

差し出された料理は、どうもフライドライスらしい。

うむ、いただこうと口に含む。

いやあああああああ!!!!!!


く、くそまずい!!!米がナマじゃないか!!


姉弟たちは不安そうな瞳でオレを見つめている。

・・・君、これを一口食ってみなさい。
どうだね?これで君はお金をもらおうというのかね?

あの幼い瞳を見て、そんな本音が言えるヤツはもはや人間ではない・・・


スプーンを強く握り、意を決して生米を口に運ぶオレ。

それを見た姉は安堵の表情を浮かべる。

デリシャスだ!デリシャスだ!
とうわ言を言いながらも
貪り食うオレはまさに聖人であった。

あの世があるとしたら、
この出来事だけで天国行きチケットを三枚くらいゲットできたように思う。


なんとか全てを胃に流し込み
姉弟を見ると、食べた!食べたよ!と二人で顔を合わせて喜んでいる。

そのあまりに可愛いらしいしぐさにやられ、チャイを一杯頼む。

さすがにチャイはマズく作ることはできないらしく
普通に飲むことができた。

なんぼ?と聞くと、姉が困った顔で、わからないと手振りする。

仕方ないので、とりあえず50ルピーを渡す。

するとお金を支払いということがわかったのか
大慌てでお釣りを探し始め、30ルピーを返してきた。

紳士であるオレはおいしかったよと、10ルピーずつ姉弟のポケットにねじ込みその場を去る。

神様見ていましたか?
この善行でオレは天国行きのチケットをもう二枚ぐらいゲットしたはずだ。


RIMG0894.JPG

南の寺院群は、そこからすぐ近くだった。
ここは西の大きな寺院群とは違って外国人こそ少ないものの、
インド人観光客の多い生きている寺だ。

しかし、静けさを求めて、歩いてた俺にとって騒がしいそこは少々拍子抜けだったことは否めず
二、三枚写真を撮り、東の寺院を目指しまた歩いた。


RIMG0870.JPG
《目印って・・・なに?》

頼りにならない地球の歩き方と、天性の方向音痴気質があいまってまた迷いに迷う。
そして二時間ほど経つと、ようやく東の寺院が見えてきた。

ひとつひとつの寺院は分散していて、どれもさほど大きなものではない。
しかし静かにたたずむ、それらの姿はオレの心を掴んだ。

0027 (34).JPG

その中の一つの寺院に入る。
ここも同じように、忘れさられたようにポツンと立っている。

静かだ・・・

遠くから子供にはしゃぎ声だけが小さく響く。

ひんやりとした石畳に座る。

RIMG0881.JPG

悠久の一部になったオレは、エロチックな石像たちと
道に染める夕日を見続ける。


そして、その色気に満ちた石像の目線の先には
石像たちと同じように性交にいそしむケモノたちの姿があった。


いのぶた



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