ドラえもんの心配など蛙の面にションベンだ!心配して損をした!そう吐き捨てる彼らが向かったのは・・・
オレ達にはやるべきことが残っていた。そう余ったルピーを使い切らねばならんのだ。
いまは超貴重なルピーだが日本に帰った途端、
暴落どころか取引すら怪しいという
倒産した会社の株券のような存在になってしまう。
さぁて今のうちに散財しますかい!とコンノートプレイスに近く闇市に繰り出す。そして露天に溢れる服屋さんを覗き込むと・・・
おおおおおお!!やっす!!「わあ!これあの有名ブランドXXXのカーディガンよ!」うそだあ!?ニセモノじゃあ・・・うわぁ、本物だ・・・
な、なんで・・・?
「たぶん、服の型紙が流・・・いやなんでもないわ・・・買いましょう!」
オレ達はキャッキャと闇市で服を買い漁った。
なにせ、ルピーを残す必要などどこにもないので1500ルピーを服に変えてしまうというインド旅、始まって以来の大散財を行ってしまった。
そしてまだありあまるルピーで超高いカフェでダベったり、土産物屋を冷やかしたりと楽しい時間を過ごす。
しかし楽しい時間であれ、嫌な時間であれ必ず終わりは来る。とりわけ楽しい時間ほど尾を引きながら。
荷物を取りにメインバザールのホテルに戻る頃にはすっかり太陽は姿を隠し、メインバザールは夜の街へと変貌していた。
そしてその暗闇にまみれオレ達はニューデリーの駅に向かった。行きのムンバイとは違いでニューデリーの駅から空港までは直通メトロが通っている。ラクになにより安全に空港に行けるのだ。
空港に着くと少し時間が余ったのでしずかちゃんと最後のルピーを出し合い、合わせたお金でハンバーガーを分け合う。
そして腹ごしらえもそこそこに、500ルピーと決して安くはない出国税を払い、オレ達は香港行きの飛行機に乗り込んだ。
最後までインドを満喫したオレは飛行機に座席に着くと、どうにも耐えられない眠気に襲われた。
気が付くとオレはそのまま泥のように眠ってしまった。
そして、飛行機はオレの気づかぬうちにインドを離れていった。
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うう・・・ん・・・「あ、おはよう。ゴメンね。起こしちゃった?」う・・・ん・・・?今どこ・・・?小さな窓のブラインドが開いている。
「もう朝だよ。もうすぐ香港に着くみたい。」見るとシートベルト着用のサインが点滅している。
そうか・・・旅も終わりなんだな・・・
ふと寂しい気持ちが胸をよぎる。
すると、しずかちゃんは「ね?すごい空だね?すごくキレイだよ。」と
つぶやき窓の向こうを見つめた。
その差し込む陽の光は、俺の目を覚まさせた。窓の外に雲海が広がっている。下には太陽があるのだろう、雲をだいだい色に染めていた。
眼下に広がる光景に、息を呑み
確かにこれはすごいね。としずかちゃんに相槌を打つ。
それを聞いたしずかちゃんは、
ゆっくりとこちらに向きなおり、こう言った。「ね?騙されたり色々あったけどさ、楽しかったよね?インド!」
太陽に赤く照らされたしずかちゃんの顔がニコリと微笑む。
それは、デリーで電話をして聞けなかった、
そしてダラムサラでは何となくこっぱずかしくなって
聞かなかったあの質問の答えだった。
・・・ああ、そうだね!!
オレは心の底からそう告げる。
これでもう、インドに思い残すことはなくなったのだから。
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2014-05-17 18:34
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コメント(2)
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共通テーマ:旅行
あ~もうすぐ読み終わってしまう・・・
チベットとインドて国民性がほんと違うんですね
廃墟いいですよね、メジャーすぎるけどローマはやっぱり
すごかったです
by Lee (2014-07-09 23:40)
私もLeeさんから頂くコメントを楽しみにしてたので寂しいです。
この後いろいろあってヨーロッパを縦断したんですが、フィレンツェで居候したメキシコ人留学生のお家が居心地よすぎて、メジャーすぎるローマには行けず・・・
うう・・・フォロ・ロマーノ行きたかった・・・
by のび太 (2014-07-10 12:05)