-前回までのあらすじ-
のび太は野戦病院ホテルを飛び出し、別のホテルを探すのであるが・・・
彼によると、ここバラナシは観光客が多い。
それに比例してホテルも多い。
いやむしろ多すぎるのだ。
ホテルは完全に供給過多に陥っており、
他のライバルホテルとの戦いは年々熾烈を極めているらしい。
そこで、あそこのホテルにはヤバイのいっぱいいますよ?と同業者からタレコミが入る。
旅行者が逮捕されたとなると
そのホテルの評判はガタ落ちで、一気に客足が遠のく。
そして一件でも多くホテルが潰れて、
そのおこぼれを貰いたいというのが裏の事情らしい。
考えてみると、とんでもない競合潰しである。
《屍の上に立つ勝者》
ホテルマンにチャイ代とチップを渡す。
ふーん・・・なるほどねぇ。ふぅー・・・
でもオレに関係ねぇじゃん!それはよお!!!
くそぉおお!!ムカつく!!!!!
なかなか、イライラはとまらない。
もうチャイごときではオレのイライラを癒すことなどできないのだ。
ダメだ!メシ!メシ食いにいこう!とホテルの外にでると
待ち構えていたかのように、ホテルのオーナー(悪)が立ちはだかる。
「おい!ちょっと待てよ!!あの宿はダメだ!」
「なんぼで泊まったんだ?200ルピーにするから、こっちに来い!」
むっきぃいいいいい!!!!!!!
ちげぇーーだろうが!!
まずはSorryだろうが!!!くそがぁ!!!!
ああ、もう殺そう。こいつは。とオレは怒声をあげた。
おい、てめぇ、なめてんのか?
あのクソ野郎、オレに殺すっつったんだぜ?
そんなホテルで泊まれっつーのか!!
「チャ、チャイおごるからさ!タダだぞ。」
お前はバカか?バカなのか?おい!
お前らが信用ならないって言ってんだよ!
なにが200ルピーだ!!!
こんなクソみてぇなホテル、カネもらっても泊まりたくねぇわ!
日本人に会うたびに言ってやるよ!
カネ盗まれるからここには行くなってよ!!!
「そんなことしてねぇだろ!!」
するよ。だって、バカだから人殺していいと思ってんだろ?
バカだからカネだって盗むだろうよ。
「だから、それは・・・あれだよ。」
『ど、どうしたんスか?』バックパックを背負った日本人が話しかけてくる。
ああ、そこのホテルじゃなくて、
こっちのホテルのほうがいいですよ。
こんなふうにトラブりますから。とホテル(善)を指差す。
「ちょっと、待て!おまえも200ルピーで・・・」
あれ、まだいたの?この人も殺すの?
「誤解だって言ってんだろ!!」
無視してIZAM似の日本人をオレのホテルに連れ込む。
《IZAM氏 現在》
うん、オレ完全に客引きだ。
巻き込んじまってすいませんと言うと、
「ちょうど宿さがしてたんでいいっすよー。」とお優しい言葉を頂く。メルティラブ。
そして、なにがあったか聞かせてくださいよ!と
興味津々の彼を食事に誘い、大いに気炎を上げるオレがいた。
しかし、あの野郎、最後まであやまらなかったな。
なんだ、インド人はあやまったらいけない宗教にでも入ってんのか?
明日はこの染み付いた悪罪をガンガーで流そう。
そう誓い、眠りにつくのであった。
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